ぜひ知ってほしい!セーフティーネット保証の概要について詳細解説
前回の信用保証協会の記事で名称はでできましたが、詳細については、ボリュームがかなりあるため、記載できなかったセーフティーネット保証について今回は詳細に解説していきたいと思います。
目次:中小企業信用保険法第2条第5項
- 1号「連鎖倒産防止」
- 2号「取引先企業のリストラの事業活動の制限
- 3号「事故等の突発的災害」
- 4号「自然災害等の突発的災害」
- 5号「業況の悪化している業種」
- 6号「金融機関の破綻」
- 7号「金融機関の経営の合理化に伴う金融取引の調整」
- 8号「金融機関の整理回収機構への貸付債権の譲渡」
セーフティーネット保証とは
指定された不況業種に属し、売上高が減少していたり、取引先等の倒産(破産、会社更生、民事再生等の手続きの申請等)や取引金融機関の破綻、自然災害等により経営の安定化に支障が生じたりしている中小企業への、資金供給の円滑化を図るための保証制度です。
このセーフティーネット保証制度を利用するためには、中小保険信用保険業法第2条第5項1号~8号に規定する特定中小企業者として、本店所在地の市区町村において、認定を受けることが必要です。
中小保険信用保険業法第2条第5項
1号
要件:連鎖倒産防止
対象者:
- 当該事業者に対して50万円以上売掛債権等を有している中小企業者
- 当該事業者に対して50万円未満の売掛債権等しか有していないが当該事業者との取引規模が20%以上である中小企業者
概要:民事再生手続開始の申立等を行った大型倒産事業者に対し売掛金債権等を有していることにより資金繰りに支障が生じている中小企業を支援するための措置
2号
要件:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
対象者:
- 当該事業者と直接取引又は間接的な取引を行っており、当該事業者に対する取引依存度が20%以上で当該事業活動の制限を受けた後の3カ月間の売上高等が前年同期比マイナス20%以上の見込みがある中小企業者
- 当該事業者の近隣に事業所を有しており、当該事業活動の制限を受けた後の3か月間の売上高等が前年同期比マイナス20%以上の見込みである中小企業者
概要:生産量の縮小、販売量の縮小、店舗の閉鎖等の事業活動の制限を行っている事業者と直接・間接的に取引を行っていることにより売上が減少している中小企業者を支援するための措置
3号
要件:突発的災害(事故等)
対象者:指定地域内において、1年間以上継続して事業を行っており、災害等の影響を受けた後の3か月間の売上高が前年同期比マイナス20%以上の見込みである中小企業者
概要:突発的災害(事故等)の発生に起因して売上高が減少している中小企業者を支援するための措置
4号
要件:突発的災害(自然災害等)
対象者:指定地域内において、1年間以上継続して事業を行っており、災害等の影響を受けた後の3か月間の売上高等が前年同期比マイナス20%以上の見込みである中小企業者
概要:災害等があると、経済産業省より災害の影響を受けている中小企業・小規模事業者への支援措置として4号対象指定がされ、指定がされたことは、官報により告示されます。
5号
要件:業況の悪化している業種(全国的)
対象者:以下のいずれかの要件を満たすことについて市区町村の認定を受けた中小企業者が対象
- 指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者
- 指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者
- 指定業種に属する事業を行っており、円高の影響によって、原則として最近1カ月の売上高等が前年同期比で10%以上減少し、かつ、その後2か月を含む3か月間の売上高等が前年同期比で10%以上減少することが見込まれる中小企業者
概要:全国的に業況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するための措置
6号
要件:取引金融機関の破綻
対象者:破綻金融機関と金融取引を行っており、適正かつ健全に事業を営んでいるにもかかわらず、金融取引に支障をきたしており、金融取引の正常化を図るため、破綻金融機関等からの借入金の返済を含めた資金調達が必要となっている中小企業者
概要:破綻金融機関と金融取引を行っていたことにより、借入れの減少等が生じている中小企業者を支援するための措置
7号
要件:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
対象者:経営の相当程度の合理化を実施している金融機関に対する取引依存度が10%以上で当該金融機関からの直近の借入残高が前年同期比マイナス10%以上で金融機関からの直近の総借入残高が前年同期比で減少している中小企業者
概要:金融機関の支店の削減等による経営の相当程度の合理化により借入れが減少している中小企業者を支援するための措置
8号
要件:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡
対象者:金融機関からの直近の総借入残高が前年同期比で減少し、適切な事業再生計画を作成し、整理回収機構に対する債務について返済条件の変更を受けている中小企業者
概要:整理回収機構へ貸付債権が譲渡された中小企業者のうち、事業の再生が可能な者を支援するための措置
まとめ
まとめると、やはりなかなかのボリュームになったと思います。
せっかくある国の制度をうまく利用していただければと思います。