要点解説!|今こそ事業復活支援金の要件を確認しよう

鳥羽市で給付金等支援相談員をさせていただいている行政書士の大久保です。
今回は、令和4年1月31日から始まる事業復活支援金について、わかりやすく解説していきたいと思います。
目次
※当事務所の助成金・補助金の業務案内はこちら
1.対象事業者について
- 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小法人または個人事業者
- 2021年11月~2021年3月の間の任意の同じ月(基準月)の売上高と比較して50%以上または30%以上50%未満減少した中小法人または個人事業者
(1)新型コロナウイルス感染症の影響とは
需要の減少による影響または、供給の制約による影響を指します。
需要の減少による影響の詳細
- 国や地方公共団体による、自社への休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請
- ①以外でコロナ禍を理由として顧客・取引先が行う休業・時短営業やイベント等の延期・中止
- 消費者の外出・移動の自粛や、新しい生活様式への移行
- 海外の都市封鎖その他のコロナ関連規制
- コロナ関連の渡航制限等による海外渡航者や訪日渡航者の減少
- 顧客・取引先が需要の減少による影響の①~⑤又は供給の制約による影響の①~③のいずれかの影響を受けたこと
供給の制約による影響の詳細
- コロナ禍を理由とした供給減少や流通制限
- 国や地方自治体による休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請
- 国や地方自治体による就業に関するコロナ対策の要請
(2)給付要件対象外具体例
- 売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により売上が減少している場合
- 要請等に基づかない自主的な休業や営業時間の短縮、商材の変更、法人成り又は事業承継の直後などで単に営業日数が少ないこと等により売上が減少している場合
- 通常事業収入を得られない時期を対象月とすることにより算定上の売上が減少している場合
- 事業復活支援金の給付通知を受け取った者は、対象外
- 持続化給付金、家賃支援金、一時支援金又は月次支援金で不正受給を行った者は、事業復活支援金の申請・受給を行う資格はなし
- 公共法人、風営法上の性風俗関連特殊営業として届出義務のある者、政治団体、宗教法人は給付対象外
- その他、事業復活支援金の趣旨・目的に照らして適当でないと判断される場合は不給付となる可能性がある。
2.給付額について
(1)基本の算定式
算定式:基準期間の売上高-対象月の売上高×5か月分
※基準期間は、以下の3パターン
- 「2018年11月~2019年3月」
- 「2019年11月~2020年3月」
- 「2020年11月~2021年3月」
(2)給付上限額
個人
- 売上減少率50%以上 ⇒ 50万円
- 売上減少率30%以上50%未満 ⇒ 30万円
法人
年間売上高1億円以下
- 売上減少率50%以上 ⇒ 100万円
- 売上減少率30%以上50%未満 ⇒ 60万円
年間売上高1億円超~5億円以下
- 売上減少率50%以上 ⇒ 150万円
- 売上減少率30%以上50%未満 ⇒ 90万円
年間売上高5億円超
- 売上減少率50%以上 ⇒ 250万円
- 売上減少率30%以上50%未満 ⇒ 150万円
(3)給付額の算定(青色と白色の違い)
青色申告の場合
- 対象月の月間事業収入が、基準月の月間事業収入と比べて、30%以上減少しているか否かを確認
比較対象 対象月事業収入:基準月事業収入
- 算定式
基準期間の個人事業収入の合計-対象月の事業収入×5
白色申告の場合又は確定申告書において、月間事業収入が確認できない場合
- 対象月の月間事業収入が基準期間のうち対象月と同じ月を含む年度の月平均の個人事業収入と比べて、30%以上減少しているか否かを確認
比較対象 対象月事業収入:基準年度平均の事業収入
- 算定式
年度月平均の事業収入の基準期間分の合計-対象月の個人事業収入×5
主な添付書類
(1)主な添付書類一覧
- 確定申告書
- 対象月の売上が記載してある帳簿( 取引日・取引先記載のあるもの)
- 個人-本人確認書類 法人-履歴事項全部証明書
- 通帳(振込先が確認できるページ)
- 宣誓同意書
- 基準月の売上が記載してある帳簿( 取引日・取引先記載のあるもの)
- 基準月の売上に関する1取引分の請求書・領収書等
- 基準月の売上に関する通帳等(取引が確認できるページ)
※⑦と⑧を合理的な理由で添付できない場合は、理由書を添付することで代替可能
(2)必要書類の区分け
- 一時支援金・月次支援金の既受給者⇒①~⑤
- 上記未受給者かつ登録確認機関と継続支援関係のある者⇒①~⑤
- 上記未受給者かつ登録確認機関と継続支援関係のない者⇒①~⑧
証拠書類等及び給付額算定に関する特例
(1)証拠書類等に関する特例
2019年または2020年分の個人確定申告の義務がない、その他合理的な事由により、2019年または2020年の確定申告書第一表の控えを提出できないと判断される場合
代替証拠書類
A-1
- 当該年分の住民税の申告書類の控え(収受印要)
- 2019年・2020年に開業したものは、当該年度の確定申告書の控えに替えて開業届・廃業届届出書等
A-2
- 2019年分の確定申告書または住民税の申告書類のいずれも提出できない場合
⇒2018、2020,2021年分の個人確定申告書
- 2020年分の確定申告書または住民税の申告書類のいずれも提出できない場合
⇒2018、2019、2021年分の個人ん確定申告書
基準期間
2019年分の確定申告書または住民税の申告書類のいずれも提出できない場合
下記の期間が基準期間とする。
- 2018年1月2月3月、11月、12月
- 2020年11月12月、2021年1月2月3月
2020年分の確定申告書または住民税の申告書類のいずれも提出できない場合
下記の期間を基準期間とする。
- 2019年1月2月3月、11月12月
- 2018年11月12月、2019年1月2月3月
(2)給付額に関する特例:新規開業特例
①開業年が2019、または2020年の場合
対象月:2021年11月又は12月
適用条件:対象月の月間個人事業収入が、開業した年の開業月から12月までの月平均の個人事業収入と比べて、新型コロナウイルス感染症影響を受けたことにより30%以上減少
対象月:1~3月のいずれか
適用条件:対象月とする2022年1月、2月、3月いずれかの月の月間個人事業収入が、開業年の翌年の対象月と同じ月の月間個人事業収入と比べて、新型コロナウイルス感染症影響を受けたことにより30%以上減少
②開業年が2021年の場合
・対象月:11月~3月の場合
適用条件:対象月の月間個人事業収入が、2021年の開業月から10月までの月平均の個人事業収入と比べて、新型コロナウイルス感染症影響を受けたことにより30%以上減少
添付書類の注意点
下記のいずれかの書類を基本必要書類に追加で添付する必要がある。
- 個人開業・廃業届出書
- 事業開始等申告書
- 上記以外で開業日、所在地、代表者、業種及び書類発行/収受日が確認できる公的機関が発行/収受した書類
(3)給付額に関する特例:事業承継特例
適用条件
個人事業収入を比較する2つの月の間に、事業を承継した場合、対象期間内に、基準期間の同じ月における月間の個人事業収入と比較して、新型コロナウイルス感染症影響を受けたことにより、自らの事業判断によらず、月間個人事業収入が30%以上減少
※特例対象外:2019年12月以前に承継を受けて開業した場合
⇒2019年1月から2021年10月までに承継を受けた場合は新規開業特例を適用
算定式
給付額=基準期間の事業収入ー対象月における事業収入×5
※事業承継を受けて開業した日を含む年において、事業を行っていた者と事業の承継を受けた者のうちいずれかまたは両方が白色申告等を行っている場合は、当該年の各月の事業収入は、事業を行っていた者及び事業の承継を受けた者の年間個人事業収入の合計を12で除したものを用いる。
参考資料:事業復活支援金申請要領
添付書類の注意点
確定申告書類の注意点
- 事業の承継を受けて開業した年以前 ⇒ 事業を行っていた者の名義の確定申告書類
- 当該年の分 ⇒ 両者の名義の確定申告書類
- 当該年以降の分 ⇒ 本人名義の確定申告書類
追加書類(下記のいずれか)
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 上記以外で開業日、所在地、代表者、業種及び書類発行/収受日が確認できる公的機関が発行/収受した書類
まとめ
今回は、詳細ではなく、要点を絞った解説になりました。
詳細な情報や具体的なケースについては、順次追加していきたいと思います。
(証拠書類特例、新規事業特例及び事業承継特例追加)